一冊の本
おかげをもちまして、創業より三代にわたり続けてまいりましたマルカの家造りは、平成10年より外断熱という手法を用いることで、科学的な裏付けのもと、その温熱環境により長寿化される社会への適合をはかり、飛躍的に長持ちし世代を越え住み継いでいただける家造りへと進化しました。
外断熱に切り替えてしばらくのことです。
いい家をつくる会に参加させていただくきっかけとなった一冊の本に巡り合うことができました。
<「いい家」が欲しい。>それは先駆者である松井修三氏の著書でした。
初めて手にした日のことです。
夜が更けるのも忘れて本の世界に没入しました。
松井さんの声が聞こえるようでした。
「私もそうなのですが、造り手のあなたには過去に大きな負い目はありませんか。」
「いい家でないものを造ってきたという負い目です。」
幾度と心を打つ強い衝撃が鳴りやまず、あふれる涙を止めることのできない夜を過ごしました。
正直という工法で建てる家造りの本質に気付かされたからです。
心からお客様のためにいい家を造ってこれたか。
何事も住む人の立場で選択し実行してこれたか。
お客様の期待におこたえできる現場の良心を育んでこれたか。
家造りに家族の幸せを求めるお客様と、期待という約束があることを知った日でした。
今もその日のことを鮮明に覚えています。
その時の思いが今の私の原点にあります。
